【QRコードとAIイラストの融合】StableDiffusionを用いた独自の方法「QRcode Genarator」

タイトル:【QRコードとAIイラストの融合】StableDiffusionを用いた独自の方法「QRcode Genarator」

今回は、AIイラストを活用してQRコードを生成する手法を詳細に説明しています。さらに、完成イラストの例や作成上のメリット・デメリットについても解説致します。

「AIイラスト+QRコード」の利用者は自身のウェブサイト情報を名刺に掲載したり、広告活動で効果的に使用したりするなど、多彩な方法でこの技術を活用することが可能です。

実践手順

1.拡張機能「webui-qrcode-generator」導入

「Google Colaboratory」を利用の方

モデル(Checkpoint、Lora)をインストールするセルの下に、以下コードを追記してください。

今回は分かりやすい場所に追記しますが、扱いに慣れている方は他のセルでもOKです。

%cd /content/stable-diffusion-webui/extensions/

!git clone https://github.com/missionfloyd/webui-qrcode-generator /content/stable-diffusion-webui/extensions/webui-qrcode-generator

%cd /content/stable-diffusion-webui

WebUIに「QR Code」のタブが追加されていれば完了です。

「ローカル版」を利用の方

WebUIで「Extensions」→「Install from URL」の「URL for extension’s git repository」に下記のURLを入力しInstallをクリックしてください。

https://github.com/missionfloyd/webui-qrcode-generator

少し待つとインストールが完了し、「Install」の下に文字が表示されます。

その後、「Installed」のタブに戻り「Apply and restart UI」をクリックしてWebUIを再起動します。

先ほどと同じく再起動後に「QR Code」のタブが追加されていれば完了です。

2.QRコードの作成

先ほど導入した「webui-qrcode-generator」を利用してQRコードを作成します。

QR Codeタブを開き、Textの欄にQRコード化したいURLを入力します。

今回は当サイトの公式LINEのURLを入力します。

使用するURLは長いと複雑なコードになるため、なるべく短いものを選んだ方がイラスト化した際の読み取り成功率が高くなります。

この際、「Error Correction Level」を「H」にすることを忘れず実施してください。

※Error Correction LevelとはQRコードの正確性レベルの様なもので、H(high)の設定にするとコードが多少欠けても認識してくれます。
逆に初期値の L(low)だと少し欠けただけで、認識できないものが出力されてしまいます。

ここまで入力が完了したらGenarateでQRコードが出力されます。

QRコードが完成したらSend to img2imgとSend to ControlNet(img2img)をクリックして、それぞれのウィンドウへQRコードを挿入します。

3.QRコード+AIイラストの作成方法

各パラメータの設定

img2imgタブにて、以下のようにパラメータを設定します。

使用モデル、プロンプトは好みのもので大丈夫です。

Width、Heightが初期値の512×512だとQRコードが正常に読み込めないので、768×768以上の比率を推奨です。

設定例

プロンプト:

masterpiece, best quality, (Photorealistic:1.3), (Highly detailed:1.3), (Natural light:1.3), town with houses, sky background,<lora:epiNoiseoffset_v2:1>

ネガティブプロンプト:

(worst quality:2), (low quality:2), (normal quality:2), ((monochrome)), ((grayscale)), text, 3d, sketches, EasyNegativeV2, bad_prompt_version2,

Model: defacta5rd_5rd
Sampling method: DPM++ 2M Karras
Clip skip: 2
Sampling steps: 30
CFG scale: 7
Denoising strength: 0.8
Width, Height: 768×768以上

「Denoising strength」が適当な数値だとQRコードが強く出てしまいイラストと調和しない為、0.6~0.8程の数値が推奨です。
実際に出力しQRコードの影響が強く、イラスト部分が綺麗に出ないと思ったら少しずつ調整してみてください。

使用モデル

https://civitai.com/models/67145/defacta-5rd

使用Lora

https://civitai.com/models/13941?modelVersionId=16576

※今回は認識できるQRコードイラストの作成が目的なのでLora「Epi Noise Offset」を利用しました。
このLoraは出力画像の明るさ、暗さやノイズを丁度良い具合に調整してくれるモデルです。
有る場合と無い場合では、完成時のクオリティに差があった為、利用は推奨しています。

ControlNet側の設定

Enable、pixel perfectにチェックを入れます。

Control Type: All
Preprocessor: tile_resample
Model: control_v11f1e_sd15_tile
Control Weight: 0.9
Starting Control Step:0.23
Ending Control Step:0.9
Control Mode: Balanced
Resize Mode: Crop and Resize

「Starting Control Step」はプロンプトによる指示の優先度に影響し、「Ending Control Step」はQRコードとイラストの調和に影響します。

上記の数値はあくまで参考値であり、使用モデルやプロンプトによって適正値が変動するので出力画像を見ながら少しずつ調整してみてください。

ここまでで設定は完了。Genarateすると画像が出力されます。

今回はプロンプトで背景を指示したため、以下の様な画像に仕上がります。

プロンプトを変えれば、様々な画像も作成可能です。

以下内容はプロンプトのみを変更し、ネガティブプロンプトと設定値、使用モデルなどは全て同一で実践致しました。

様々な質感のイラストをQRコード化することが出来ます。

美少女イラスト×QRコード

プロンプト:

masterpiece, best quality, (Photorealistic:1.3), (Highly detailed:1.3), (Natural light:1.3), 1 girl, solo, green hair, looking at viewer, short hair, blue eyes, <lora:epiNoiseoffset_v2:1>

和風×QRコード

プロンプト:

masterpiece, best quality, (Photorealistic:1.3), (Highly detailed:1.3), (Natural light:1.3), (Japanese painting:1.2), 1 girl, solo, black hair, looking at viewer, long hair, red eyes, <lora:epiNoiseoffset_v2:1>

サイボーグ×QRコード

プロンプト:

masterpiece, best quality, (Photorealistic:1.3), (Highly detailed:1.3), (Natural light:1.3),1male, cyborg, solo, mask, looking at viewer,

space,<lora:epiNoiseoffset_v2:1>

上手く作成出来ない時の対策

綺麗に画像が完成しなかった時は、「QRコードの完成度」と「各パラメータ」を疑い対策してください。

外部サイトでQRコードを出力

StableDiffusionでQRコードが上手く反映されない時は、以下の外部サイトでQRコードを出力してください。
https://dnschecker.org/qr-code-generator.php

こちらのサイトでは長めのURLでも比較的綺麗なQRコードを作成してくれます。
Image Sizeは350×350がオススメで、「Error Correction Level」は「H」に設定してください。

各パラメータを見直す

QRコードイラストを作る際には、パラメータの要素が重要となります。
主に以下4つのパラメータが完成度にかなりの影響を及ぼす為、完成度を上げるにはこれらの数値の組み合わせが大切になります。

【img2img側パラメータ】
・Denoising strength

【ControlNet側パラメータ】
・Control Weight
・Starting Control Step
・Ending Control Step

メリットデメリットについて

AIとQRコードイラストを組み合わせる方法での、実際に触ってみたメリットとデメリットについてまとめました。

メリット

  1. QRコードイラストを使用することで、名刺の裏面にウェブサイト情報を掲載したり、自社のキャラクターやソーシャルメディアのアイコンとして利用したりするなど、広告活動を効果的に展開することが可能となります。
  2. AI技術が社会的に重要性を増している現状を受け、この技術を利用することでAIリテラシーの高さをアピールできます。
  3. すでに「QRコードイラスト制作」などのサービスが増えてきており、適切な活用によって新たなビジネスチャンスが見えてくる可能性があります。特にデザイン業界では、これが必須のスキルとなる可能性があります。

デメリット

  1. 各パラメータ設定のコツを掴むことが少し難しいです。使用するモデルやプロンプトによって最適値を都度見つけ出す必要があります。
  2. 元となるQRコードの品質が低いと、完成したイラストが読み込めない場合があります。
  3. QRコードの品質と各パラメータ設定のコツを把握することで、完成度は大幅に向上します。この対策を行った結果、生成されるイラストのうち半数が読み込めるようになるレベルに達しました。

まとめ

今回は、AIイラストを用いてQRコードの生成する方法を紹介しました。

今後のAIイラスト+QRコードの技術は、今年の6月初旬に公開され、SNSなどで大いに反響を呼んでおります。名刺のデザインを洗練させる、ウェブサイトへのリンクとして使用する、オフィスのデスクにWiFi接続リンクとして配置するなど、ビジネスシーンでの活用が見込まれます。

すでにこの技術を実用化しており、今後不可欠となるAIについての高いリテラシーもアピールできます。AI技術は日々驚異的な進歩を遂げているため、読み取り精度の向上やさらなる発展も期待できます。

最新の技術に対する注意深い視線を維持することが良いと思われます。

今回の情報を参考に、皆さまもAIイラストを用いてQRコードの生成に挑戦してみてはいかがでしょうか。