Stable Diffusionに必要なスペックはどれくらい?おすすめPCを徹底解説!

「Stable Diffusionを使いたいけど今のPCではスペックが足りない…」「Stable Diffusionを使うにはどんなスペックが必要なの?」そう思う方もいるのではないでしょうか。
Stable Diffusionを効果的に使用するには、ある程度のスペックが必要です。
今回の記事では、Stable Diffusionを使用するための必要なスペックとおすすめの商品について詳しくご紹介していきます。

Stable Diffusionでスペックが必要なのはローカル環境構築のため

まずはStable Diffusionで何故そこまでスペックが必要であるのかについて解説します。

スペックが必要な理由はざっくり言うと「Stable Diffusionをローカル環境で使用するため」です。

ローカル環境を使用した方がいい理由は以下の通りです。

①Google colabでは月額料金がかかる

②ローカル環境ではモデルのインストールが簡単

この2点について解説します。

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①Google colabでは月額料金がかかる

Stable Diffusionを使う場合、ローカル環境のほかにGoogle colabを使用する方法があります。

Google Colabは無料で使用することができますが、無料版で使用できるGPUではStable Diffusionがほぼ動作しないため、colab環境でのStable Diffusionの使用は課金することが前提であると言えます。

colabの料金プランは以下の通りです。

100ユニットから購入できますが、100ユニットは長くとも2週間程度で使い切ってしまいます。

月額では2,358円、年間では28,296円が必要になります。

Stable Diffusionなどの生成系AIを用いた画像生成ツールは今後より使用されることが予想されるため、中長期的に考えると、ローカル環境を構築することがおすすめです。

②ローカル環境ではモデルのインストールが簡単

ローカル環境のもう1つのメリットとして、colab環境よりもモデルのインストールが簡単ということが挙げられます。

Google colabではモデルやLoraのインストールをする際にPythonのコードの知識が必要な場合があります。

ネットでインストール用のコードを探すこともできますが、見つからなかった場合、自分でコードが書けない限り、そのモデルを使用することができません。

ローカル環境ではモデルのファイルを特定の場所に格納するだけで使用でき、また多くのモデルを保管することができるため、大きなメリットと言えます。

Stable Diffusionにおすすめのスペック

ここではStable Diffusion使用時の推奨スペックについて解説します。

以下が大まかな推奨スペックになります。

推奨スペック
PCの種類デスクトップ型
OSWindows(64 bit)
CPU特になし
GPUVRAM12GB~
メモリ16GB(学習させる場合32GB)
ストレージ512GB~(できれば1TB)

①使用PCはデスクトップがおすすめ!

使用するPCはデスクトップ型がおすすめです。

後述しますが、Stable Diffusionの使用にあたって最重要なのがGPUの性能です。

ノート型はデスクトップ型に比べて搭載できるGPUのサイズが小さいため、必然的に性能が低くなってしまいます。

②使用OSはWindowsがおすすめ!

OSはWindowsの64bit版がおすすめです。

Stable Diffusionの推奨環境はWindowsであると公式にて以下のように言及されています。

原文:
Currently most functionality in the web UI works correctly on macOS, with the most notable exceptions being CLIP interrogator and training. Although training does seem to work, it is incredibly slow and consumes an excessive amount of memory. CLIP interrogator can be used but it doesn’t work correctly with the GPU acceleration macOS uses so the default configuration will run it entirely via CPU (which is slow).

和訳:
現在、ウェブUIのほとんどの機能は、CLIPインテロゲーターとトレーニングを除き、macOSで正しく動作します。トレーニングは動作するが、信じられないほど遅く、メモリを過剰に消費します。CLIP interrogatorは使用できますが、macOSが使用しているGPUアクセラレーションでは正しく動作しないため、デフォルトの設定では完全にCPU経由で実行されます。

MacOSでも動作はするようですが、新しくPCを購入するという方はWindowsを購入するほうがおすすめです。

③CPUの性能はそこまで気にしなくていい

Stable Diffusionを使用する際にCPUの性能はそこまで気にする必要はありません。

ハイエンドだとCore i3~i5相当、ミドルエンドだとCore i5~i7相当の性能があれば充分です。

BTOで探すと下記のCPU搭載のモデルはあまり見つかりませんが、それはGPUの性能に比例してある程度CPUの性能も高いものが採用されているからです。

単体で買う場合は下記のCPUで問題ないでしょう。

おすすめCPU3選

おすすめな人価格
Core i5-13600KPCを仕事にも使いたい方47,790円
AMD Ryzen 5 5600Xコスパ重視かつStable Diffusion以外にも主要な用途がある方22,202円
Core i3-12100FStable Diffusionをメインで使いたい方14,980円

④GPUは超重要!!

Stable Diffusionの使用にあたってGPU(グラフィックボード)の性能は1番重要といっても過言ではありません。

GPUは画像処理などを行う部分であるため、ここの性能が画像生成の速さなどに直結します。

具体的な性能としては、最低でVRAMが8GB、推奨はVRAMが12GB以上です。

おすすめGPU3選

おすすめな人VRAM価格
NVIDIA GeForce RTX 4090スペックの心配をせずに使用したい方24GB226,606円
NVIDIA GeForce RTX 4070スペックと価格の両方を重視する方16GB108,482円
NVIDIA GeForce RTX3060価格を一番重視する方12GB49,800円

⑤メモリは16GBか32GB

Stable Diffusionの推奨メモリは16GBになっています。

8GBのメモリであっても動作はするようですが、推奨スペックが16GBである以上いつ動かなくかも分からないため、16GB以上のメモリを購入することをおすすめします。

また、Loraなどを用いて学習させることを検討している方は32GBがおすすめです。

メモリに関しては後から増設することも可能であるため、まずは16GBで購入し、追加学習に興味が出たらメモリを32GBに増設する、というのも良いでしょう。

⑥ストレージ

最後はストレージの容量です。

基本的には予算の都合で妥協することになるのはこの辺だと思いますが、最低でもSSDは512GB以上にしておきましょう。

予算の都合上どうしてもSSDの容量を増やせないという方は外付けのHDDを併せて購入することをおすすめします。

Stable DiffusionにおすすめのPCをご紹介!

ここまで各パーツごとの推奨スペックを解説しましたが、ここでは上記の推奨スペックを満たすPCをいくつかご紹介します。

おすすめな人料金
ASUS S500MDまずはStable Diffusionを使ってみたい人164,800円
G-Tune DG-I7G70通常の使用に加え、Lora学習などもやってみたい人281,934円
G-Tune XP-ZStable Diffusion+αで高スペックが求められる何かをしたい人694,687円

おすすめPC①:ASUS S500MD

1つ目は「ASUS S500MD」です。

CPUにCore i5-12400、GPUにNvidia GeForce RTX 3060を搭載しています。

いいGPUを求めると、やはり値段は高くなってしまうのですが、このモデルはその中でも価格が安めで、エントリーモデルとしておすすめです。

「まずはStable Diffusionを使ってみたい」という方には1番おすすめです。

以下が基本スペックです。

基本スペック
PCの種類デスクトップ型
OSWindows
CPUCore i5-12400
GPU‎Nvidia Ge Force RTX 3060(VRAM12GB)
メモリ16GB
ストレージ512GB
料金164,800円

おすすめPC②:G-Tune DG-I7G70

2つ目は「G-Tune DG-I7G70」です。

CPUにはCore i7-13700F、GPUにはGeForce RTX 4070を搭載しています。

Stable Diffusionの利用はもちろん、その他の用途で使用する場合もストレスフリーで使うことができるモデルになっています。

以下が基本スペックです。

基本スペック
PCの種類デスクトップ型
OSWindows
CPUCore i7-13700F
GPU‎GeForce RTX 4070(VRAM12GB)
メモリ16GB
ストレージ1TB(SSD)
料金281,934円

おすすめPC③:G-Tune XP-Z

3つ目は「G-Tune XP-Z」です。

CPUにCore i7-13700KF、GPUにGeForce RTX 4090を搭載しており、これさえあればStable Diffusionに関することは何でもできます。

Stable Diffusionの使用のみである場合、正直オーバースペックであると思いますが、オンラインゲームも沢山やりたい!という方にはおすすめのモデルです。

以下が基本スペックです。

基本スペック
PCの種類デスクトップ型
OSWindows
CPUCore i7-13700KF
GPUGeForce RTX 4090(VRAM24GB)
メモリ64GB
ストレージ1TB(SSD)+4TB(HDD)
料金694,687円

PC選びに関するQ&A

Stable Diffusion用のPCを探す時に疑問に思うであろうことについてQ&A形式でまとめました。

Q.1:スペックの確認方法は?

今現在PCを持っている方は、まずは自身のPCのスペックを確認してみましょう。

Stable Diffusionを使うにあたって確認すべき要項は以下の2つです。

・メモリ(RAM)が16GB以上

・GPUの容量(VRAM)が12GB以上

メモリの確認方法

まずはファイル画面を開き、どこでもいいので右クリック、画像赤枠部分の「プロパティ」をクリックします。

画面が開いたら、実装メモリ(RAM)の容量を確認しましょう。ここが16GB以上あれば、Stable Diffusionを快適に使用することができます。

GPUの確認方法

デスクトップ画面で右クリックし、画像赤枠部分の「ディスプレイ設定」をクリックします。

ディスプレイの設定画面が開くので、「ディスプレイの詳細設定」を選択します。

詳細設定の画面を開き、「ディスプレイ1のアダプターのプロパティを表示します」と記載されている所をクリックしたらGPUのスペックを確認できます。

「専用ビデオメモリ」が12GB以上あれば、Stable Diffusionを問題なく使用することができます。

Q.2:GPUのスペックが足りないとどうなる?

Stable Diffusionを使用する際、VRAMの容量が不足していると以下の様な事例が発生する可能性があります。

・Stable Diffusionが起動できない

・画像生成時にエラーが発生する

画像生成はできるが、低画質になってしまう

GPUを搭載していない機種だと、Stable Diffusionが起動できないことがあります。

また、GPUを搭載していても、スペック(VRAMの容量)に不足がある場合には、画像生成が上手く実行されなかったり、出力される画像が低画質になってしまうことがあります。

このようなことを防ぐ為にも、GPUのスペックは妥協せず選ぶことをおすすめします。

Q.3:買い替えと増設、どっちがいい?

PCの買い替えor増設かの選択は、とりあえず以下の基準に従うようにするといいでしょう。

・メモリ・ストレージの不足:増設

・GPU(VRAM)の不足:買い替え

メモリ・ストレージの増設は初心者でも比較的簡単にできますし、中身を弄るのが怖い方には外付けのタイプのものもあります。そのため、メモリ・ストレージのみ不足しているという場合には増設がおすすめです。

対して、GPUのスペック不足の場合は買い替えがおすすめです。

GPUを増設する際は、以下のことを気にしなければいけません。

・GPUに対して他のパーツのスペックは劣っていないか

・GPUを増設してもPCの電源容量は問題ないか

GPUのスペック問題を解決しようとすると、GPU以外のパーツも増設することになったり、増設したとしても次はPCの電源容量が足りなくなったりします。

メモリ・ストレージに比べて増設作業も知識がないと難しいため、GPUのスペック不足の場合は買い替えがおすすめです。

まとめ

今回はStable Diffusionの使用に必要なスペックについて解説しました。

長々と説明しましたが、Stable Diffusion用のPCを選ぶ際には特に以下の3点を意識するようにしましょう。

・PCはデスクトップ型を選ぶ

・GPU(VRAMの容量)は12GB以上

・メモリ(RAMの容量)は16GB以上

今回解説した内容を参考にして、自分にピッタリのPCを選べるようにしましょう!