ChatGPTの2023年の情報まとめ!日本での利用状況や最新ニュースをご紹介

「最近のChatGPTの動向について知りたい…」「2023年の日本でのChatGPTの利用状況はどうなっているの?」 そう思う方もいるのではないでしょうか。

今回PROMPTYでは、ChatGPTの日本での利用状況や、大規模言語モデルの開発に関するニュースをご紹介します。

2023年の日本でのChatGPT利用状況

野村総合研究所(以下、NRI)は、2023年5月26日に日本のChatGPT利用動向(2023年4月時点)~利用者の多くが肯定的な評価~という見出しで、ChatGPTに関するレポートを公開しました。

ChatGPT(Openai.com)への日本からのアクセス数は、4月中旬には1日あたり746万となり、トラフィックのシェアとしては、米国やインドに次ぐ3番目の位置にあります。

出典:NRI

ChatGPTのユーザー数については、PROMPTYの記事でも詳しく解説しています。

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NRIが2023年4月15~16日に関東地方の15歳から69歳の方々を対象に行ったアンケートによれば、61.3%の方がChatGPTを知っており、12.1%の方が実際に利用した経験があると回答しました。男性の利用率は17.7%で、特に10代から30代の男性は20%を超える利用率となっています。一方、女性の利用率は6.2%となっています。

出典:NRI

職業別では、大学生や大学院生、専門学生が21.6%と最も高く、次いで教職員が20.5%、会社役員が17.2%、会社員が16.7%と続きます。しかし、医師や医療関係者の利用率は5.3%と低い数字となっています。ChatGPTの利用者の中で、約9割の方が今後も利用したいと考えており、一部の方からは懸念の声も上がっていますが、大部分の日本人利用者からは肯定的な意見が多く寄せられています。

出典:NRI

NRIが公開したレポートはこちらから閲覧することができます。

日本のChatGPT利用動向(2023年6月時点) (nri.com)

ChatGPTに2023年の情報を回答してもらうには?

ChatGPTが持つ情報は2021年9月までという制約があります。これは、ChatGPTが訓練されたデータセットがこの時点までの情報しか含まないためです。この制約は、「知識のカットオフ」と呼ばれ、全ての機械学習モデルに共通する概念です。この制約は、ChatGPTがリアルタイムの情報を更新したり、インターネットに接続して新しい情報を取得する能力がないことから来ています。

ChatGPTのデフォルトモデルでは、2021年9月までの情報しか出力されませんが、実は拡張機能を使うことで2023年の最新の情報に対応させることができます。

方法①:Chromeの拡張機能「WebChatGPT」を使用する

Chromeの拡張機能「WebChatGPTを導入することで、ChatGPTをインターネットに接続し、2023年の最新情報を回答してもらうことができます。

方法②:ChatGPTプラグインを使用する

ChatGPTプラグインの中には、「WebPilot」「Now」「Mixer Box News」「BrowserPilot」「BrowserOP」といった検索機能を追加するプラグインがあります。これらを使うことによってChatGPTをネットに接続して最新情報を取得することができます。

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方法③:ChatGPTのウェブブラウジング機能を使用する(現在停止中)

ChatGPTをネット接続する方法として、ウェブブラウジング機能が挙げられます。

ChatGPTのWebブラウジング機能を使用すると、リアルタイム情報をもとにした回答の出力が可能になります。

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しかし、2023年8月現在、ChatGPTのウェブブラウジング機能は停止しています。

日本でChatGPTのようなサービスは生まれるの?

日本語のLLM(大規模言語モデル)を開発する動きは2023年に入ってから加速しています。

ここでは、日本語のLLM開発動向をピックアップしてご紹介します。

①サイバーエージェントの最大68億パラメータの日本語LLM

サイバーエージェントは、5月17日にHugging Face上で最大68億パラメータの日本語の大規模言語モデルを公開しました。

OpenAIのChatGPTをはじめとする生成AIや大規模言語モデルは、世界中での進化と活用が進められていますが、多くのモデルは英語を中心に学習されており、日本語や日本の文化に特化したものは少ないとされています。この背景から、サイバーエージェントは日本語に特化したモデルの開発に力を入れ、Hugging Face Hubにて一部のモデルを公開しています。(https://huggingface.co/cyberagent

この公開されたモデルは、オープンな日本語データを使用して学習され、商用利用も可能な「CC BY-SA 4.0」ライセンスで提供されています。そして、5月17日の時点で、このモデルは日本国内で最大級の規模となっています。

参考:CyberAgent

②東大発スタートアップ「Lightblue」の日本語LLM

東京大学発のスタートアップの「Lightblue」は、「LLab(エルラボ)」という新しい研究開発チームを立ち上げ、国内最大級の67億パラメータの日本語の大規模言語モデルを公開しました。

このモデルの最大の特色は、その透明性とセキュリティにあります。現在、主要な大規模言語モデルは英語を中心に開発されている一方、日本語のモデルは国内の主要ベンダーが中心になって開発が進められています。

しかし、これまでの日本語モデルには、学習方法の透明性が不足していたり、セキュリティに関する問題が指摘されていました。このような背景から、Lightblueは67億パラメータを持つ大規模言語モデルをオープンソースとして公開することを決定しました。

参考:PR TIMES

③Stability AI  Japanの日本語言語モデル「Japanese StableLM Alpha」

画像生成AIを「Stable Diffusion」の開発元であるStability AIは、8月10日に「StableLM」の日本語バージョンとして「Japanese StableLM」のアルファ版を公開しました。

この「Japanese StableLM Base Alpha 7B」というモデルは、70億のパラメーターを有し、主にウェブ上の大量のデータを使用してテキスト生成を学習しています。学習に使用されるデータは、日本語と英語が中心であり、完全に日本語に特化したものではないかもしれません。

また、Stability AIは、指示に応じて反応する言語モデル「Japanese StableLM Instruct Alpha 7B」も同時に公表しました。これは、日本語に対応した会話型のAIとして機能します。

出典:Stability AI

Stability AIは、他の日本語向けの大規模言語モデルと比較して、このモデルが「最も優れた性能を持っている」との説明をしており、今後もこれらのモデルの学習を続け、日本語の対応をさらに強化していく予定と述べています。

参考:Stability AI

まとめ

今回PROMPTYでは、2023年のChatGPTに関する日本国内での利用状況や最新ニュースを紹介しました。

  • NRIによるChatGPTの利用動向の調査レポート
  • ChatGPTの回答を最新の情報に対応させる方法
  • 日本のLLM(大規模言語モデル)の開発動向
    • Cyber Agent
    • 東大発スタートアップであるLight blue
    • Stable Diffuisonの開発元であるStability AI Japan

今回の情報を基に、皆さまも最新のChatGPTのニュースを調査してみてはいかがでしょうか。